楽に立ち続けたい
夏休みがあるせいか8月は公開される映画が多い。
 先月は4本の映画を観た。
 最初に観た「共犯者たち」は思いのほか盛況で、映画館へ着くと開場を待つ人の列がビルの入口まで続いていた。
そこで初めて立ち見を経験した。
映画はおもしろかった。
 韓国の政治権力に声をあげて立ち向かう、報道記者たちの闘い。
 日本の隣の国で、報道のために政府と熱く闘っている人たちがいることに驚いた。

 ただ途中から脚や背中が疲れて、後ろの扉にもたれながら観ていた。
 
 人の体は同じ姿勢をとり続けることができない。
 立ったままだと座りたくなるし、ずっと座ったままだと立って歩きたくなる。
 寝ているのは楽でも、長くなればごろごろしたり起き上がりたくなる。
 こうした動きは筋肉の疲労によっておこる体の反応である。
 
 映画館での2時間を楽しくするためには立ち見をしないか、立ち見をしても疲れないようにするかのどちらかだ。
 
 立位姿勢で主に使うのは、ふくらはぎ、太もも、おしり、背骨周りの筋肉である。
 これらの筋肉は抗重力筋とよばれる。

             出典: 武井仁 「姿勢の教科書」 ナツメ社、2015
 
 疲れない対策としては、
 ①観賞前に準備体操をすることと、
 ②疲れる前に姿勢を変えることだ。
 
 翌週は「この世界の片隅に」を観た。
 この時も盛況だった。
 座席は取れたが折角なので立って観賞することにした。
 劇場前の廊下で「イッチ・ニィ・サン・シ」と体を動かす変な人。
 実験なんでスミマセン。
上映が始まる。
 日米戦争中の出来事を描いているので少しドキドキしながら観た。
意外にもほのぼのとしたストーリーが続いた。
 
 
 疲れていないが脚を曲げたり伸ばしたりする。
 実際、スクリーンに夢中になっているときは体の変化に気づきにくい。
 
 けれど2時間経ってからの体の疲れは全然違った。
 明らかに前より楽だった。
 
 これは普段仕事をしているときも同じだろう。
 ずっと同じ姿勢を続ければ筋肉は疲れる。
しかし集中しているときは疲労を感じない。
 痛みやこりを和らげるには、疲れを感じる前に体を動かすのがいいのである。
 
 帰りの電車で空席に座りながら、立ったり座ったり自由に出来るのが本当はいいんだろうなと思った。
鈴木







